今回お伺いした川﨑様は、美しい山間で稲作を行っており、今年で3回目の収穫を終えたところでした。
美しい谷川を挟んだ段々の水田。家の下手側にもあり、かなりの広さの水田があります。
広川町は「稲むらの火」で有名なこともあり海沿いのまちという印象ですが、町の名前にもなっている広川沿いに山間に入ると、緑に囲まれた農村地帯。
最近はホタル鑑賞でも有名で、町内には「ほたるの湯」という温泉施設もあります。
川﨑様宅も山に囲まれた谷あいですが、実は高速道路の広川南ICから10分もかからない便利な場所です。
取材当日は、新聞社の会員組織と和歌山県過疎対策課・広川町のコラボでの農作業体験があり、20名ほどの方が訪れていました。
農業用トラクターの運転体験や草刈機体験。後ろに見えるのが川﨑様のお宅。鉄筋コンクリートの倉庫の上に平屋が乗った構造。

【脱穀体験】
天日干しした稲を小型の自走式脱穀機で籾にします。
川﨑様は和歌山市内で自営業をされていますが、ここ広川町までは車で40分ほどの距離なので、休みの日を中心に農作業をされています。仕事の日もここから出勤できるので、少しでも休みがあれば来ることができます。
数年前に友人に誘われ稲作の手伝いをしていて、自分の田を持ちたいと思っていた川﨑様。
この物件が売りに出ていることを知り、しっかりした家と広い水田、そして間を流れる綺麗な谷川に惹かれて購入しました。
さっそく稲作を始めたのですが、1年目は慣れていなかったことと、鹿や猪、タヌキや猿の野生動物に荒らされてあまり収穫できませんでした。
2年目は作業に慣れたことと、電柵で囲んで野生動物の侵入を減らしたので、少し収穫できるようになりました。
今年は3年目。さらにネットで囲むなどの対策を施し、かなり収穫できるようになりました。
訪れてビックリしたのが畦にほとんんど雑草が茂っていないことで、これほど綺麗にしている田畑は珍しいと思います。実際、かなりこまめに草刈りをされているそうで、綺麗にしていると虫も減るし作業も効率的とのことです。
段々の水田は見た目は美しいのですが、手入れが大変だそうです。油断をすると猪に石垣や畦を崩されるので補修しなくてはいけませんし、農機具を上げるのも大変。大きな田なら一気に田植えや収穫ができますが、何回にも分けて作業しなくてはいけません。
見た目だけで憧れても、「軽い気持ちではできないよ~」と川﨑様。取材日もあまりにも綺麗だったので「イベントがあるので町職員などが来て手伝ってくれたのですか?」と聞いたほどです。(もちろん川﨑様が一人で刈っているそうです)
地域の皆さんからも、広い水田を一人ですべて作業しているのは驚かれるそうです。美しい上に今年はよく収穫できているのを見た方から、「うちの田んぼも作ってくれませんか?」と頼まれるほど、地域の皆さんからも認められるようになりました。
また今回の農作業体験など、自治体等からの頼まれごとも増えてきました。
最初は「自分で米を作ってみたい」から始めた田舎暮らしですが、これからは田舎暮らしの楽しさや農作業の難しさを伝え、少しでも田舎暮らしを考える人たちの参考になれば、と川﨑様。
大変なことも多いと思いますが、これから何年も美しい棚田を見せていただきたいと思います。

愛犬の「ゆず」ちゃんも見守ります。

「いなむら米」という名前で販売も始めました。
周辺のみどころ「滝原温泉 ほたるの湯」
車で5分程の温泉・宿泊施設「滝原温泉 ほたるの湯」。
周辺はホタルの名所で、5月下旬から6月中旬には温泉施設周辺のほか、車で10分程度の広川ダム上流でも多く見られます。
>滝原温泉 ほたるの湯ホームページ