第35回 紀美野町 山口様「セルフビルドでストローベイルハウス」

紀美野町は、田舎暮らしを実践されている方も多い、自然が豊かな町です。和歌山県の県庁所在地・和歌山市からも遠くなく、山の中とは思えないおしゃれなお店があったりします。

今回は、紀美野町三尾川で土地を購入された山口様を訪ねました。
現在は和歌山県内の橋本市に住んでおり、休みを利用してこの地でストローベイルハウスのセルフビルドに挑戦しています。

小高い丘の上の平地。キャンプにも最適!

「ストローベイル」とは、藁(ストロー)を家畜の飼料用に圧縮加工したブロックのことで、このブロックを積み上げ、粘土を塗って壁にする家のことだそうです。
古くからの日本建築でも藁を混ぜ込んだ粘土で壁を作っていましたが、日本建築とは異なり、壁の厚さが40~50センチもあります。
山口様は、セルフビルドで家を造ろうと思って関係書籍などを見ているうちに興味をもち、ぜひ作ってみたいと思いはじめたそうです。

できるだけ廃材などを再利用し、ローコストで建築しようということで、屋根組みも竹を利用してみようと研究・準備中だそうです。
竹は丸く、寸法も一定ではないので難しそうですが、「プロじゃないんだから、それも楽しみ。いろいろと調べて、あとは作りながら考えていこうかな。」と、それも楽しみの一つのようです。

完成予想模型。作りながら考えるのも楽しみ。

もともと東京・横浜に住んでいた山口様は、7年前に同じ和歌山県内の橋本市に移住しましたが「せっかくだからもっと田舎に行ってみよう」と思い、何カ所も探したうえに、この地を見つけました。
谷川が合流する盆地状の集落の中で少し高台になっており、美しい棚田を望めます。古くからまわりに桜を植えられており、春は美しく咲き誇ります。
昨年の夏、ちょうど前の所有者が手放したところで紹介され、一目で気に入って購入されたとのこと。

古畳の「TATAMI HOUSE」内部

まずはストローベイルハウスを造る練習として、材料がよく似た古畳で「TATAMI HOUSE」を作りました。解体した古民家の厚い畳の廃材利用で、畳を壁材に土を塗り固めた小さな家です。
取材当日は少し蒸し暑かったのですが、中に入るとひんやりと涼しかったです。
まだ電気は来ていないので、泊るときは「TATAMI HOUSE」やキャンプ。取材当日も、前日からご家族でキャンプされており、テントやタープをたてて楽しんでおられました。

山口様は舞台照明デザイナーをされており、今も仕事の時は東京方面に向かいます。
それって大変なのでは?と言う問いに、
「仕事だけを考えれば東京に住むことになるけれど、環境は圧倒的に田舎がいい。それに楽しいしね。まとまった休みも取りやすいというのもあるけど、『田舎に住んでいても、都会で仕事ができる』っていうのを証明したいしね。」
と、こともなげに答えられました。

できあがったら、友人たちと集える場所にしたいと山口様。
まだまだ柱が立ったところですが、できてくればまた訪ねてみたいと思いました。

山口様のホームページ

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