第27回 有田川町 鈴木様宅「笑顔あふれるユートピアを作りたい」

有田川町は和歌山県のほぼ中央に位置し、東は紀伊山地、北は長峰山脈、南は白馬山脈、西は有田市に囲まれた東西に細長い形状をしています。
また、空海が高野山を開設した時代に高野有田街道が開かれたことで歴史的な発展が始まりました。

今回は有田川町に住む鈴木さん宅に取材に来ました。
田舎暮らしは12年ほど前から始めていましたが、そのときは仕事の関係で週末や休みの時に限られていました。
そして時間に余裕が出てきた2年前からここでの永住生活が始まりました。築60年過ぎてもなお現役の鈴木様宅12年前といえば、まだインターネットが出始めたばかり。
そのとき田舎暮らしの情報収集といえばもっぱら雑誌からでした。
ちょうど田舎暮らしがブームとなった頃で、田舎暮らしを取り上げる雑誌がたくさん出版されていました。
そして、ある1冊の雑誌との出会いが、鈴木さんを田舎暮らしへと導いたのでした。

当時、鈴木さんは大阪で仕事をしていて、ビルやコンクリートで囲まれた生活でした。
その反動もあり、都会では普段接することのできない自然への憧れを持つようになりました。
歳月を重ねていく毎に憧れが大きく膨らみ、都会の雑踏から離れてのんびりとできたらなあ、と思うようになりました。
そしてそのとき手にした雑誌によって、憧れだった田舎暮らしを実現させるようになりました。
兵庫県や三重県、岡山県や奈良県と色々な場所を見回ったのですが、なかなか条件に合うものが見つかりませんでした。それでも諦めずに探し続け、有田川町に向かっていた途中のトンネルを抜けたときに、鈴木さんの目にパッと飛び込んできた景色に心を奪われました。
「トンネルを抜けた時は、まるで別世界に来たようだった」
その感動に加え、考えていた条件もぴったりだったことで、この場所に決まったそうです。

田舎暮らしで永住を始めてから2年、今年から町内会の役員を務めるなど、すっかり有田川町民となった鈴木さん。
12年前から年に1回の総会には必ず出席し、地元の方との信頼関係を築いてきました。
役員となった鈴木さんは、集落の活性化を目指し、年間を通じてさまざまな取り組みを実施してきています。

まずはワサビ畑の取り組み。集落を流れる澄んだきれいな川が流れていることもあり、ワサビを収穫し有田川町の代表的な作物にしよう、という思いから皆で取り組み始めました。
そして集落の人たちだけでなく、町を離れた息子さんやお孫さんが喜べるように季節行事としてのお花見や夏祭りを開催しました。
これがすごく好評で、「こういう祭りがあるのなら毎年帰って来たい」という言葉もこぼれるほどでした。
他にもいろいろなイベントの実施を予定していて、今では集落に活気が戻ってきているとか。
他にも子供たちが喜ぶ化石採掘プロジェクトも計画中で、実現する日を夢見ています。有田川町で見つけた化石鈴木さんに田舎暮らしの感想を聞いてみると、「来てよかった!」と言ってくれました。
毎日、奥さんが家庭菜園で育てている美味しい無農薬野菜が食べられ、そしてご近所づきあいで生まれる信頼関係、何一つ不自由さや不便さを感じることはないそうです。
「逆に不便なところを楽しむのが田舎暮らしの醍醐味」とまでお話してくださる鈴木さんの顔には笑顔がこぼれるほど今の暮らしの充実さをうかがうことができます。奥さんは家庭菜園をしています村ではまだ若手新米役員の鈴木さんですが、集落を思う気持ちは地元の人たちと同じ、いやそれ以上です。
鈴木さんの夢を実現させる旅はまだ始まったばかりです。

和歌山で暮らそう。
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