第50回 田辺市龍神村・緒方様「映画の舞台で宿泊」

緒方様

今回お伺いしたのは、田辺市龍神村の緒方様です。
2年前にこちらで宿泊施設「吉祥(KISHO)」をオープンしました。
この家は龍神村の林業家の築170年の古民家なのですが、実は1991年に公開された映画「大誘拐 RAINBOW KIDS」で、「和歌山の最後の山林王」当主宅としてロケに使われたほどの立派な古民家です。

上空から見た吉祥
平屋の主屋・離れと、2階建ての母屋、事務所として使われていた別棟があります。

カナダから日本にUターン

緒方様は長野県出身ですが、小さい頃に家族でカナダに移住され、30年近くバンクーバーで暮らしていました。
そのうち日本文化に興味をもち、日本での暮らしを夢見るようになりました。

想像以上の物件

緒方様は最初、備長炭の製炭師を志して和歌山県で移住先を探すようになりました。何軒かみているうちに出会ったこの家。もちろん高価だったため、「ひやかし半分」で見に来たそうですが、立派な佇まいに加えて田辺市の移住担当者の対応や近隣住民と触れ合ううちに、「二度とこのような物件は出ない」と決められたそうです。
引っ越してからも、近隣の方々に親しくしてもらい、ますます龍神村とこの家が気に入りました。

母屋と庭
2階建ての母屋と美しい庭。

日本の良さを紹介したい

大きく立派な造りなので、日本文化に興味のある海外のお客様をお迎えしたいと、宿泊施設として活用することになりました。部屋は7室、13人の宿泊が可能です。

小さいころからカナダで暮らしていたため、当然ですが英語が堪能で「吉祥(KISHO)」のホームページも現在は英語のみとなっており、海外からのお客様が7割。
大阪の観光会社で外国人向けのツアーガイドも行っており、今後も宿泊と合わせて続けていきたいとのことです。

360°パノラマ画像
360°パノラマ(googleストリートビューにリンクします)


和室
和室と広い玄関の板の間。
映画では事務所のように使われていました。

部屋から眺める庭
広い縁から眺める庭。

広い部屋
主屋と母屋に挟まれた離れ。とても広い部屋なので、ロビーのように使っています。

母屋1階
2階建ての母屋の1階。立派な部屋と縁があり、大きなガラス窓から庭が見えます。


田辺市龍神村

龍神村は、2005年に合併し田辺市となりました。和歌山県最高峰の龍神岳(標高1,382m)や護摩壇山、笠塔山、虎ヶ峰など1,000m級の山々に囲まれた村。日高川が村内の中心を流れ、ほとんどが山林で、その名のとおり龍が棲んでいるような村です。古くから林業が代表的な産業で、植栽されたスギ、ヒノキなどの森林資源が豊富です。

龍神温泉

紀州徳川家の藩主も湯治に訪れた、歴史ある温泉。「日本三美人の湯」としても有名です。旅館・民宿の他、共同浴場もあります。

龍神温泉

参考リンク