2018.04.21

天井仕上げについて【古民家講座】

室内の天井の仕上げ方は、古民家を見る上でとても面白い部分です。
最近の新築の天井は、クロス仕上げのシンプルなものが多いですが、
古民家の天井は構造と意匠が直結するものが多く、実に多様なデザインが見受けられます。
その中でも、古民家でよく見られる基本的な天井仕上げをご紹介したいと思います。
【竿縁天井】
和室の天井に最もよく使われる天井形式。
竿縁とよばれる細い材の上に天井板を直交方向に載せたものです。
竿縁にはいくつか約束事があり、竿縁の方向は床の間と平行にしなければなりません。
直交させるのは「床差し」といって忌み嫌われます。
【目透かし天井】
天井板同士を突き付けずに、あえて透かして目地をいれる方法。
目地の幅や深さなどの組み合わせで、多様な意匠を表現しています。
竿縁天井よりは格式が劣ると言われていますが、すっきりした印象。
【格天井】
格縁(ごうぶち)とよばれる角材を組んで、その間の正方形の部分に鏡板(かがみいた)を張った天井。
鏡板に絵を描いたり、織物を貼ったりして、豪華な仕上げをしていることもあります。
【踏み天井】
上の階の床板をそのまま表した天井形式。表し床(あらわしゆか)ともいいます。
その他・・網代張り天井や竹張り天井といった、様々な装飾材を天井に貼ったものがいくつもあります。
古民家を見る際、天井の仕上げにも目を向けると、とても面白いですよ。(岡)