2018.03.25

古民家に有効な「耐力壁」は?

今日はとても暖かい一日でしたね!午前中は現場調査を1件、午後は紀の川市の現場打合せに同行させていただきました。

見るたびに、完成に近づいていくのが実感できて、とても面白いです。

上の写真は古民家再生によく使う「荒壁パネル」いいます。耐震補強の意味で施工しているのですが、普通の木造住宅とは考え方が少し違います。

普通は耐力壁といえば、筋交いなどを施工して、柱と梁などを連結させてがっちりと固めるのが基本ですが、古民家の場合は強固で頑丈な構造材と組み方により、地震に対する揺れをしなやかに受け流すことを目的としていますので、普通に筋交いなどで補強するのは、本来の方法ではありません。

そこで登場するのが上の写真で使っている「荒壁パネル」という補強材。このパネルは古民家が持つ柔軟性を生かしながら、塗り壁の下地材としての役割を持つ、とても優秀なパネルなのです。

ただし、「荒壁パネル」だけでは、完全とは言えず、パネルの施工箇所には上記の写真のように大引きと束を接続する「制振金物」もセットで施工することになります。

100年近く生き残った古民家をまた更に100年以上元気にしていくには、このような現代の知恵も生かしていく事が大切です。

写真は格子の窓からみた借景。緑の木々がうっすらと見え、とても情緒があります。これからもまた引き続き工事状況をレポートしていきたいと思います。

(岡)